バングラデシュ–日本との相互関係

バングラデシュ–日本との相互関係

今年で、バングラデシュと日本の外交関係は38年になります。この38年間、我々は2カ国間の親密な協力関係が着実に築かれていくのを目の当たりにしてきました。双務的外交関係が定着したのは比較的最近のことではありますが、2カ国の関係は歴史的、文化的な交流を通して数世紀に及ぶものであります。

 独立戦争が起きた1971年は、バングラデシュと日本の友好関係における重要な分岐点となりました。戦争の間、日本人からは計り知れないほどの支援をして頂きました。特に、バングラデシュの支援において主要な役割を果したのは、元衆議院議員の早川崇氏です。当時の早川氏の強い願望により、彼の遺骨はバングラデシュに納められました。現在でも、バングラデシュの人々は、自国が困難に見舞われた際に支援してくださったすべての日本人に永続的な感謝の念を抱いており、相互の親善心と尊敬による絆は、それ以来両国民の間で発展してきています。

 日本は、独立後世界に先駆けてバングラデシュを国家承認した国の一つです。1972年2月10日に外交関係を確立。その年の始めに、両国は互いの首都に大使館を置きました。独立国バングラデシュからの初の上層部の訪問は、1973年にバンガバンドゥ・シェイク・ムジブル・ラーマン元首相によって行われ、それ以来、我々2カ国の関係は着実に、そして十分に発展しており、後退することはありません。

 バングラデシュと日本は、多くの鍵となる国際問題に関して、その見解を共有し、世界的な平和と安定を推進するために共に活動してきました。我々両国は、国連の平和維持活動に非常に寄与しているといえると思います。また、バングラデシュは、国連安全保障理事会における日本の永続的な構成員としての地位を支持し、同時に、日本を善良なパートナーとして、加盟国を支える南アジア地域協力連合(SAARC)のオブザーバーとしての役割を評価しています。日本との関係は、我々にとって非常に重要であり、両国はさらに協力を深め広げるために、互いの持つ高い潜在性の活用を約束しています。

 日本・バングラデシュ議員連盟は、両国の友好関係の構築に積極的に努めています。昨年、麻生太郎副総理兼 財務大臣は、バングラデシュの可能性における日本の信頼を熟考して議会の議長に就任されました。

 バングラデシュは、主要な開発パートナーとして38年間寄り添ってくださった日本政府と、関わってくださった人々に深く感謝しています。日本は、我々の貧困緩和や人材育成といった経済的インフラの整備において大いに助けになり、またバングラデシュの橋建設を含む日本の支援によるインフラ整備は、自国バングラデシュの経済成長に大きく貢献しました。

 我々にとって日本の存在は、貧困緩和活動を成功させた主な一因であり、また、日本は我々の人材育成においても支援してくださいました。今日、日本で訓練を受けた何百人ものバングラデシュの研修生は、そのほとんどが流暢な日本語を話し、より良いバングラデシュ構築の手助けとなっています。我々は日本に対して、ITや最先端技術などの科学の教育分野を主軸に、これからも継続的に援助を広げてもらうことを望んでいます。

 他にも、バングラデシュへの日本の援助には、ODA有効活用のモデルとしての例が多くあります。今年、日本政府は大幅に増えた開発計画融資4億4000万米ドルをバングラデシュへ提供することを決定し、バングラデシュはこれを歓迎しました。我々は、このような取引がこれからも続くことを願っています。

 また日本は、主要な取引相手であり海外直接投資先でもあります。二国間貿易と投資における関係性はまだ完全とはいえませんが、この新しい連携スタイルは相互の協調性を大幅に上げるかもしれません。JETROの調査によると、バングラデシュは最も安いコストでビジネスをおこない、日本にIT製品を供給することができる国であるとされています。現に、我々は充実した投資サポートサービス、報奨・奨励金、大きな市場、安価な労働力、そして上質の輸出製品を提供しており、NTT docomo、ユニクロ、西友、イトーヨーカドー、ニトリや三菱のような大企業は、バングラデシュへ海外進出したり、交渉したりしています。これらのような企業の多くは、海外進出をするにあたっての苦労や絶え間ない努力に耐え、大手の日本企業のバングラデシュへの投資、ビジネスを動機づけ、また後押ししているのです。

 2カ国の民間企業も、長年にわたって親密な協力関係を築いてきています。日本・バングラデシュ経済委員会(JBCCEC)は、東京とダッカで交互にセッションを開き、ビジネスと投資について議論、検討しました。そして、バングラデシュは、高価な土地への施設の再配置などを含むさらなる日本の投資を促す方針を決めました。これによって、日本の企業家のための独占的なEPZ(輸出加工区)が作られるかもしれません。

 観光業もまた、我々二国がさらに友好、親善、そして人々の交流を促進するために協力可能な領域といえるでしょう。昔から、バングラデシュを訪問した旅行者は、その魅力と名声に魅了されてきました。バングラデシュは雄大な自然の美しさと豊かな動植物をもつ国です。1年を通して6つの季節があり、色彩の多様性をもつ土地と自然が特徴といえます。
 また、バングラデシュには古い歴史と豊かな伝統、文化、遺産、芸術と文学があります。今日のバングラデシュとその人々は、これらの特徴を全て体現しており、同じく長い歴史、豊かな文化、そして伝統をもつ日本人の観光客にとって魅力的な場所となっているのです。特に、仏教の古代遺跡は、日本人のみなさんにとっても多いに満足してもらえるもの
でしょう。

 日本には10,000人以上のバングラデシュ人が住んでおり、ビジネス、雇用、研究そして学業に関連した職業を含む多様な活動に携わっています。また、バングラデシュに住んでいる日本人も多くおり、様々な活動(ビジネスやボランティア活動など)に関与しています。このような国外在住者は、人々の交流の強化に貢献しており、バングラデシュと日本の間に強い友好関係の架け橋を構築しています。この任務は、日本に住んでいるバングラデシュビジネスマンの可能性と強さを活かすために、2007年のバングラデシュ商工会議所の日本進出によって後押しされました。会議所は、2カ国間におけるさらなる貿易と投資の促進に、すでに重要な役割を果たしています。
 
 バングラデシュと日本の2カ国の間には、文化的合意とそれに基づく文化交流プログラムがあります。両国の政府は、我々の友好関係をさらに補強するために、今後より多くの文化的交流を促進していくかもしれません。

 我々の独立以来、2カ国間では定期的な交流訪問がなされています。これらの訪問は、優れた友好関係をより可視化するだけでなく、バングラデシュと日本の間の親密で多種多様な協力関係の着実な成長に貢献しました。主な双方の訪問は、以下の通りです。

バングラデシュへの訪問

  • 1972年 早川崇を中心とした元衆議院議員団
  • 1975年 皇太子同妃両殿下
  • 1977年 鳩山一郎元外務大臣 早川崇特使
  • 1980年 早川崇特使 愛知和男元外務政務次官
  • 1983年 石川要三元外務政務次官 秋田大助特使
  • 1987年 倉成正元外務相
  • 1989年 福田赳夫元総理大臣
  • 1990年 海部俊樹元総理大臣
  • 1994年 三塚博元日本バングラデシュ元議員連盟長
  • 1995年 柳澤伯夫元外務政務次官
  • 1996年 桜井新元日本バングラデシュ議員連盟副会長
  • 1998年 桜井新元日本バングラデシュ議員連盟副会長
  • 2000年 森喜朗元総理大臣、桜井新元日本バングラデシュ議員連盟副会長
  • 2001年 桜井新元日本バングラデシュ議員連盟副会長
  • 2002年 桜井新特使
  • 2003年 桜井新元日本バングラデシュ議員連盟会長代行
  • 2004年 桜井新元日本バングラデシュ議員連盟会長代理
  • 2005年 谷川秀善元外務副大臣 常田享詳元農林水産副大臣
  • 2006年 桜井新元日本バングラデシュ議員連盟会長 町村信孝元外務大臣 麻生太郎元外務大臣 薮中三十二元外務事務次官
  • 2009年 橋本征康元外務副大臣

日本への訪問

  • 1973年 S・ムジブル・ラーマン元首相
  • 1978年 ジアウル・ラーマン元大統領
  • 1980年 ジアウル・ラーマン元大統領
  • 1985年 H. M.エルシャド元大統領
  • 1989年 H. M.エルシャド元大統領
  • 1990年 H. M.エルシャド元大統領
  • 1994年 カレダ・ジア元首相
  • 1995年 A. S. M. ムスタフィズル・ラーマン元外務大臣
  • 1997年 シェイク・ハシナ元首相 S・キブリア元財務大臣
  • 1998年 アブダス・サマド・アーザード元外務大臣
  • 2000年 アブダス・サマド・アーザード元外務大臣
  • 2001年 アブドゥル・モイーン・カーン元情報大臣 クルシド・ザーアン・ホック女性と子ども省大臣婦人
  • 2002年 M. モルシェド・カーン元外務大臣
  • 2003年 アリ・アフサン・マホメット・ムジャヒード元社会福祉大臣 L. K. シディッキ元水資源大臣、 M.モルシェド・カーン元外務大臣、 サデク・ホッサン・コカ元畜産水産大臣
  • 2005年 カレダ・ジア元首相 コンドカー・モシャロフ・ホッサン博士元健康と家族福祉大臣 アブドゥル・モイーン・カーン博士元情報大臣
  • 2006年 カムル・イスラム元国外在住者の福祉と海外雇用国務大臣 L・ババー元自治大臣 リヤーズ・ラーマン外交担当顧問
  • 2007年 ミルザ・メリーランド・アジズル・イスラム財務担当顧問
  • 2010年 H. E.シェイク・ハシナ元首相
  • 2012年 H.E.アブドゥル・マール A.ムヒト財務大臣
  • 2012年 H.E.グーラム・マホメット・カデー 商業担当大臣
  • 2012年 マホメット・アブドゥル・ラザック 食物と災害管理担当大臣
  • 2012年 アブドゥル・マンナン・ハン 住宅と公共事業担当大臣
    長年にわたって、バングラデシュと日本は両国間の協力を強化し、制度化する多くの合意に署名してきました。2カ国間で署名された重要な文書は、以下の通りです。
  • 1973年 日本青年海外協力隊の二国間協定の締結
  • 1978年 国際為替交換協定
  • 1980年 航空業務協定
  • 1982年 文化協定
  • 1991年 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約
  • 1999年 昇進と投資の保護に関する契約
  • 2002年 技術的協力に関する契約
  • 2004年 負債救済策に関する書簡の交換
  • 2005年 文化交流プログラム
  • 2005年 JITCOとMOEWEによる訓練生に関する議論記録への署名。
  • 2008年 バングラデシュ非常事態災害管理に関する6千万米ドルのローン合意
      両国間の補強・強化された相互関係の基盤は、過去38年間の関係を通して、我々の相互利益のために今後ともさらに継続的に補強されると確信しています。
  • 2014年5月にハシナ首相は日本を訪問しました。